医療脱毛とエステ脱毛の違い|法律で決まる範囲・承認機器・リスク・契約

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医療脱毛とエステ脱毛の違いを示す図。毛乳頭などを破壊する脱毛は医行為、エステは一時的な除毛・減毛と対比し、機器と承認、症状への対応、解約料の上限の観点を並べている 施術・技術解説
西村 麻衣
西村 麻衣(にしむら まい)
元美容クリニックカウンセラー / 美容医療ライター

複数の美容クリニックでカウンセラーとして勤務後、独立。延べ2,000件以上の施術相談に関わった実体験と化粧品成分の専門知識をもとに、医療的根拠に基づく情報を発信。本記事では、厚生労働省の通知、PMDAの添付文書、美容医療診療指針、国民生活センターの資料をもとに、医療脱毛とエステ脱毛の違いを整理しています。

医療脱毛とエステ脱毛の違いは、毛乳頭や皮脂腺開口部などを破壊する脱毛を行えるかどうかです。この脱毛は医行為で、医師以外が業として行えば医師法違反となり、エステで行えるのは医行為に当たらない範囲の一時的な除毛・減毛です。2026年10月12日時点の厚生労働省の通知と国民生活センターの資料では、この線引きが示されています。国内で承認された脱毛用レーザーの使用目的は「長期的な減毛」で、やけどなどの危害の相談はエステと医療機関の両方で寄せられています。

「エステと医療脱毛、結局どこが違うの? 安いほうで大丈夫?」

広告では料金や回数の言葉が目立ち、比べる軸がそこだけになりがちです。けれど、二つの違いの出発点は料金ではなく、法律でどこまでの施術が認められているかにあります。

この記事では、厚生労働省の通知、国内で承認された脱毛用レーザーの添付文書、美容医療診療指針、国民生活センターの資料をもとに、行える施術の範囲、機器、副作用、トラブルが起きたときの対応、契約の違いを順に整理します。

本記事の対象:医療機関とエステで行う体毛の脱毛の違いです。
顔のシミ・くすみに使う光治療(IPL)の機械の違いはフォトフェイシャルの機械を比較|ステラM22・ルメッカなど7機種の違い、カウンセリング全般で確かめることは美容クリニックのカウンセリングで確認すべき5つのことで扱っています。
本記事は特定のクリニックやエステサロン、機器を推奨するものではありません。

Result ― この記事のまとめ(医療脱毛とエステ脱毛の違い)
  • できる範囲できる範囲の違いは、毛乳頭や皮脂腺開口部などを破壊する脱毛が医行為にあたり、医師以外が業として行えば医師法違反となる点です。エステで行えるのは、医行為に当たらない範囲の一時的な除毛・減毛です。
  • 機器国内で承認された脱毛用レーザーがあり、承認された使用目的は「長期的な減毛」です。医療機関の光脱毛(IPL)には未承認器も広く使われていると、美容医療診療指針に記載があります。
  • 副作用熱傷、毛嚢炎、色素沈着、硬毛化などが添付文書や診療指針に挙げられ、危害の相談はエステと医療機関の両方で寄せられています。
  • トラブル時医療機関の脱毛は、やけどなどが起きたときにすぐ医師の診察を受けられる点が、国民生活センターが示す違いです。
  • 契約期間1か月超・金額5万円超のコース契約は、エステでも医療機関でも特定継続的役務提供にあたり、クーリング・オフと中途解約ができます。解約料の上限はエステと美容医療で異なります。

※ 厚生労働省の通知、PMDAの添付文書、美容医療診療指針、国民生活センター・消費者庁の資料、特定商取引法の条文をもとに整理しています。施術の効果や個別の院・サロンの評価には触れていません。

西村 麻衣西村 麻衣

カウンセラー時代、「エステと何が違うんですか」と聞かれることが何度もありました。料金や回数の話から入りがちですが、私はまず「誰が、何をしてよいと法律で決まっているか」から説明していました。そこが分かると、ほかの違いも整理しやすくなります。

医療脱毛とエステ脱毛は何が違う?比較表

医療脱毛とエステ脱毛は、行える施術の範囲、使う機器と承認、副作用が出たときの対応、コース契約の解約料の上限が違います。どちらでもやけどなどの危害の相談は寄せられており、受ける場所によってリスクがなくなるわけではありません。

公的資料で確かめられる違いを、項目ごとに並べました。

項目医療脱毛(医療機関)エステ脱毛(エステティックサロン)
行える施術毛乳頭や皮脂腺開口部などを破壊する脱毛(医行為)医行為に当たらない範囲の一時的な除毛・減毛
施術する人医療機関で、医師の責任のもとで行う。看護師等が医師の指示なく行うことは法律に違反しうると、厚生労働省の通知が示している医行為に当たる施術は、医師以外が業として行えば医師法違反になるため行えない
主な方式レーザー脱毛、光脱毛(IPL等)、電気脱毛光脱毛が代表的
機器の承認長期的な減毛を使用目的とする承認済みのレーザーがある。IPLは未承認器も広く使われている(診療指針)医療機器として承認された機器ではない
効果の位置づけ承認レーザーの使用目的は「長期的な減毛」で、効果は永久的とは限らない(添付文書)一時的な除毛・減毛。医療機関に比べて脱毛効果は低く、皮膚への影響は小さいとみられるとの記載がある(国民生活センター)
副作用熱傷・毛嚢炎・色素沈着・硬毛化など(添付文書・診療指針)皮膚障害・熱傷などの危害の相談がある(国民生活センター)
症状が出たときすぐに医師の診察を受けられる(国民生活センター)医療機関を受診し、消費生活センター等に相談する
コース契約1か月超・5万円超なら特定継続的役務提供(美容医療)1か月超・5万円超なら特定継続的役務提供(エステティック)
費用・回数自由診療で院ごとに異なる。一定の効果には長期間の施術が必要(国民生活センター)サロンごとに異なる。一定の効果には長期間の施術が必要(国民生活センター)

※ 厚生労働省の通知、PMDAの添付文書、美容医療診療指針、国民生活センター「なくならない脱毛施術による危害」、特定商取引法施行令をもとに作成。費用と回数は院・サロンや部位によって異なるため、数値を載せていません。

「医療脱毛は出力が強く、エステは弱い」という説明がありますが、法令や通知に出力の数値の基準はありません。線引きは出力の大きさではなく、毛乳頭などを破壊する行為かどうかで決まります。

法律上の違い|医行為にあたる脱毛とエステでできる範囲

医療脱毛とエステ脱毛の法律上の違いは、毛根の毛乳頭や皮脂腺開口部などを破壊する脱毛が医師法上の医行為にあたり、医師以外が業として行えば医師法違反になる点です。エステで行えるのは、医行為に当たらない範囲の施術です。

厚生労働省の通知が示す「医行為にあたる脱毛」

2001年の厚生労働省の通知「医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて」は、医師以外が業として行えば医師法第17条に違反する行為の一つに、次の脱毛を挙げています。用いる機器が医療用かどうかを問わず、レーザー光線などの強力なエネルギーをもつ光線を毛根部分に照射し、毛乳頭や皮脂腺開口部などを破壊する行為です。

通知は、その理由を、医師が行うのでなければ保健衛生上の危害が生じるおそれがある行為だからと説明しています。線が引かれているのは機器が医療用かどうかではなく、照射によって何を破壊するかという点です。

2025年には、厚生労働省医政局長の通知「美容医療に関する取扱いについて」が出されました。この通知は、資格のない人が業として行えば医師法違反となる医行為の例として、脱毛行為などを改めて挙げています。あわせて、看護師等が医師の指示なく脱毛行為などを行うことも、医師法または保健師助産師看護師法に違反しうるとしています。

エステで行える脱毛の範囲

国民生活センターが2017年に公表した資料「なくならない脱毛施術による危害」は、エステで行えるのは光の照射などによる一時的な除毛・減毛で、医行為に当たらない範囲に限られると説明しています。エステの代表的な施術は光脱毛です。

同じ資料は、エステ業界の自主基準がエステの光脱毛を、除毛・減毛を目的とし、皮膚に負担を与えず毛の幹細胞を破壊しない範囲のものと定義していることも紹介しています。

「エステ脱毛は違法」は本当か

エステの光脱毛が違法かどうかは、その施術が毛乳頭や皮脂腺開口部などを破壊する行為に当たるかどうかで決まります。エステの光脱毛というだけで一律に違法になるわけではありません。

ただし、この線引きの運用については公的機関から指摘が出ています。2011年に内閣府の消費者委員会は、通知を「反対解釈」し、毛乳頭などを破壊しなければ医師でなくてもよいとして無資格者が脱毛を行う例があると指摘しました。そのうえで、脱毛を含む施術の技術的な基準を整え、医行為の範囲を明確にする検討を厚生労働省に求めています。

国民生活センターも2017年の資料で、エステでレーザーや光を使う施術を受けて危害が出た相談について、その施術は医行為に該当する可能性があると指摘しています。厚生労働省の特設サイトその美容医療、ちょっと待って!も、医師以外による医療脱毛は法律で禁止されていると注意を呼びかけています。

医療脱毛の機器と承認|「永久脱毛」と言い切れない理由

医療脱毛の機器には国内で承認された脱毛用レーザーがあり、承認された使用目的は「長期的な減毛」です。添付文書は効果が永久的とは限らないことを治療前に説明するよう求めており、承認内容からは「永久脱毛」と言い切れません。

PMDA(医薬品医療機器総合機構)の添付文書等で使用目的を確認できた脱毛用レーザーは、どれも「長期的な減毛」を使用目的としています。「脱毛」や「永久脱毛」という言葉は、使用目的に使われていません。

販売名レーザーの種類承認された使用目的(要旨)
GentleLase Proアレキサンドライトレーザー長期的な減毛。表在性の皮膚良性色素性疾患にも
GentleMax Proアレキサンドライトレーザー・Nd:YAGレーザー長期的な減毛。アレキサンドライトは色素性疾患にも
GentleMax Pro PlusNd:YAGレーザー・アレキサンドライトレーザー長期的な減毛。色素性疾患・毛細血管拡張にも
メディオスターネクストプロダイオードレーザー長期的な減毛
メディオスターモノリスダイオードレーザー長期的な減毛
LASERMACH レーザーマックダイオードレーザー長期的な減毛
ソプラノチタニウムダイオードレーザー長期的な減毛(審査概要の記載)

※ PMDAの添付文書等情報検索と審査資料で使用目的を確認できた機器の例です。ここにない機器が未承認という意味ではなく、美容医療診療指針もこのほかの承認機種を挙げています。掲載は特定の機器の推奨を意味しません。

GentleLase Proとソプラノチタニウムの承認には、適応に関する十分な知識と経験をもつ医師が、講習の受講などで技能や合併症の知識を得ることが条件として付けられています。

使用目的が「減毛」になった経緯は、GentleLase Proの審査報告書に書かれています。申請の段階では「長期的又は永久的な脱毛又は減毛」とされていましたが、臨床での評価が一定面積あたりの毛の数の減少率だったため、「減毛」として承認されました。

GentleLase Proの添付文書は、治療の前に次の3点を説明し、同意を得るよう求めています。複数回の治療が必要なこと、効果は永久的とは限らないこと、照射部位の周囲を含めて毛が増えたり太く硬くなったりする多毛化・硬毛化が起こりうることです。

美容医療診療指針も、欧米では「脱毛」ではなく「減毛(hair reduction)」という表記が一般的だとし、白髪や金髪にはほとんど効果がないと記載しています。回数について国民生活センターの資料は、一定の効果を得るには長期間の施術が必要だと述べています。

エステの光脱毛の機器は、医療機器として承認された機器ではありません。美容医療診療指針は、エステやホームユースで販売される脱毛の機器はほとんどがIPLだとしています。

西村 麻衣西村 麻衣

「永久脱毛」という言葉を期待して相談に来る方は少なくありませんでした。承認内容が「長期的な減毛」であることは、続けるかどうかを判断する材料になる情報だと私は思います。機器の名前は、遠慮せずに聞いてよいことです。

脱毛の方式の違い|レーザー・蓄熱式・光脱毛(IPL)

医療機関の脱毛の方式は、美容医療診療指針でアレキサンドライト・ダイオード・Nd:YAGの3種類のレーザーと蓄熱式脱毛が「強く推奨」、光脱毛(IPL)が「弱く推奨」とされています。IPLは承認器もある一方、未承認器も広く使われていると指針に記載があります。

美容医療診療指針(令和3年度改訂版)は、厚生労働科学研究の研究班が日本皮膚科学会など関連5学会の協力を得てまとめたものです。第5章で脱毛治療を扱っています。

指針によると、レーザー脱毛は毛のメラニンを標的にして、毛包を熱で破壊する仕組みです。これを選択的光熱融解と呼びます。

方式指針の推奨度承認状況(指針の記載)指針に書かれている特徴(要旨)
アレキサンドライトレーザー(ロングパルス)強く推奨承認機器がある皮膚冷却装置で表皮を保護しながら効果を得やすい。部位や毛・肌の色によっては効果が劣る場合や、硬毛化を生じる可能性がある
ダイオードレーザー強く推奨承認機器がある複数の副作用が生じうるため、肌のタイプの判定と色素沈着に注意が必要とされる
Nd:YAGレーザー強く推奨承認機器がある痛みは他の機器よりやや強い。色黒の肌では色素沈着・熱傷のリスクが高くなる
蓄熱式脱毛強く推奨承認機器があるほとんどの患者で施術後に一過性の紅斑・浮腫が出る
光脱毛(IPL)弱く推奨承認器もあるが、未承認器も広く使用されている単一波長でないため、メラニンへの選択性はレーザーより劣り、脱毛効率もやや劣る。照射面積が広く痛みは少ない。肌の色が濃いほど熱傷のリスクが高い

※ 推奨度・承認状況・特徴は、美容医療診療指針の表記を要約したもので、個々の機器や医療機関の効果を示すものではありません。

国民生活センターの資料では、医療機関で行われる脱毛として、レーザー脱毛、光脱毛(IPL等)、電気脱毛が挙げられています。

医療機関のIPLの承認についての説明は、記事末の本記事で言及している施術についてに示します。

脱毛のリスク・副作用とトラブル時の対応の違い

脱毛のリスク・副作用は、熱傷、毛嚢炎、色素沈着、硬毛化などで、エステと医療機関のどちらでも危害の相談が寄せられています。医療機関の脱毛は、症状が出たときにすぐ医師の診察を受けられる点が、国民生活センターが示す違いです。

添付文書と診療指針に書かれている副作用

承認された脱毛用レーザーの添付文書と美容医療診療指針には、次のような副作用が挙げられています。

  • 熱傷、水疱、痂皮(かさぶた)
  • 紅斑、浮腫、かゆみ
  • 毛嚢炎
  • 色素沈着、色素脱失
  • 瘢痕
  • 照射部位とその周囲の多毛化・硬毛化

メディオスターモノリスの添付文書は、重大な有害事象として網膜熱傷・白内障・失明などの目の障害も挙げています。施術中に目を保護するのは、このためです。

硬毛化について美容医療診療指針は、原因が明確でなく対処法も確立していないため、起こりやすい部位を把握し、必要に応じて事前の説明と同意(インフォームド・コンセント)に加えるべきだとしています。

GentleLase Proの審査報告書では、海外の製造販売後の報告の中で多かったのが熱傷でした。その主な原因は、十分な知識のない医師による過剰なエネルギーの照射や重ね打ちなど、不適切な施術にあると分析されています。

エステでも医療機関でも危害は起きている

国民生活センターが2017年に公表した資料によると、全国の消費生活センター等の相談を集めたPIO-NETに2012年度以降、2017年2月末日までに登録された脱毛の危害の相談は、エステが680件、医療機関が284件でした。危害の内容は、どちらも皮膚障害と熱傷が多いと報告されています。

相談件数は利用者の数を考慮した数字ではないため、件数だけでどちらが安全かは比べられません。

資料に載っている事例には、エステの光脱毛のあとに毛嚢炎や黒ずみが残ったもの、医療機関のレーザー脱毛のあとにやけどのような腫れと色素沈着が出たもの、硬毛化への対応で強いレーザーを当てた後に炎症が起きたものがあります。

症状が出たときの対応の違い

国民生活センターは、医療機関の脱毛は組織を破壊するため、やけど・腫れ・赤みが起こりうる一方、起きたときにはすぐ医師の診察を受けられると説明しています。

エステで症状が出た場合も、医療機関を受診し、消費生活センター等に相談するよう同センターは呼びかけています。厚生労働省の特設サイトは、相談先として消費者ホットライン188、医療安全支援センター、保健所の医事法制の相談窓口を案内しています。危害の事例とアドバイスは、国民生活センターのなくならない脱毛施術による危害で公表されています。

西村 麻衣西村 麻衣

カウンセラー時代、施術のあとの赤みやかゆみを心配して連絡してくる方を見てきました。大事なのは、どこに連絡すれば誰が診てくれるのかを、契約前に知っているかどうかです。副作用の一覧と同じくらい、その連絡先と流れを先に確かめておいてほしいと思います。

医療脱毛のクリニックで確かめる5項目

医療脱毛のクリニックで確かめることは、使う機器の販売名と承認の有無、照射を担当する人と医師の関わり方、副作用が出たときの対応、料金の総額、回数の説明の根拠の5項目です。どれもカウンセリングで質問して確かめられます。

01

① 機器の販売名と承認

使う機器の販売名を聞き、PMDAの添付文書等情報検索で国内承認の有無と使用目的(長期的な減毛か)を確かめます。

光脱毛(IPL)の場合は、脱毛を使用目的として承認された機器かどうかも聞いておきます。

02

② 照射を担当する人と医師の関わり

照射を担当するのが医師か、医師の指示を受けた看護師等か、施術の前に医師の診察があるかを確かめます。

2025年の厚生労働省の通知は、資格のない人が「カウンセラー」などと称して医療行為に関わる相談を行う事例に触れ、相談は医業にあたらない範囲で行うべきとしています。医療上の判断にかかわる説明は、医師から受けるようにします。

03

③ 副作用が出たときの対応

熱傷・毛嚢炎・硬毛化などが起きたときに、どのような流れで診察と処置を受けられるか、その費用がどう扱われるかを確かめます。

硬毛化について施術前に説明があるかも、確認しておきたい点です。

04

④ 料金の総額

医療脱毛は自由診療です。料金表では、部位の範囲、回数、追加照射、麻酔、剃毛(シェービング)、キャンセル料、支払い方法(一括前払いか)を確かめます。

医療広告ガイドラインの限定解除の要件では、自由診療について標準的な費用・治療期間・回数と主なリスク・副作用を示すことが求められています。医療機関のサイトにこれらが書かれているかも見ておきます。本記事は特定の医療機関の広告ではないため、院の料金は載せていません。料金表の読み方は美容クリニックの料金表、ここだけ見れば信頼度がわかるで整理しています。

05

⑤ 回数の説明の根拠

承認された脱毛用レーザーの添付文書は、複数回の治療が必要で、効果は永久的とは限らないことの説明を求めています。

医療広告ガイドラインは、虚偽広告の例として「一日で全ての治療が終了します」「絶対安全な手術です!」を挙げています。脱毛を名指しした記載ではありませんが、医療機関の広告の「○回で完了」「絶対安全」といった言い方も、同じ考え方で問題になりえます。エステの広告の「痛みゼロ」などは、国民生活センターが安全とイメージさせる表現として指摘しています。

5項目は、どれも契約の前に聞いておける内容です。回答があいまいなときは、その場で契約せず、説明を持ち帰って比べることもできます。クリニック選び全体の確認点は東京で美容クリニックの選び方|失敗しないための5つのチェックポイントにまとめています。

脱毛のコース契約で知っておくこと

脱毛のコース契約は、期間が1か月を超え金額が5万円を超える場合、エステでも医療機関でも特定商取引法の特定継続的役務提供にあたり、クーリング・オフと中途解約ができます。中途解約の解約料の上限は、エステと美容医療で異なります。

特定商取引法の特定継続的役務提供には、エステティックと美容医療の両方が含まれます。美容医療の脱毛で対象になるのは、光の照射または針を通じて電気を流す方法による施術です。どちらも、期間が1か月を超え、金額が5万円を超える契約が対象です。

クーリング・オフは、契約の内容を記した法定書面を受け取った日から8日以内にできます。通知は書面のほか、メールなどの電磁的な方法でも行えます。8日を過ぎた後も中途解約ができ、事業者が請求できる解約料には上限があります。

区分施術の提供開始前施術の提供開始後
エステティック2万円提供済みの施術の対価+(2万円か契約残額の10%の低いほう)
美容医療2万円提供済みの施術の対価+(5万円か契約残額の20%の低いほう)

※ 特定商取引法と同法施行令 別表第四をもとに作成。表の金額は事業者が請求できる額の上限です。

消費者庁は高額料金の一括前払いについての注意喚起で、前払いの前に前受金保全措置の有無を確かめ、都度払いや月払いも検討するよう呼びかけています。分割払いの途中であれば、クレジット会社への支払いを止める抗弁ができる場合があります。ただし、すでに支払った分の返還は主張できません。

国民生活センターは若い世代向けの注意喚起で、低価格の広告を見て来店したところ高額なコースを勧められた、「今日だけ」と契約をせかされた、といった脱毛エステの相談を紹介しています。制度の全体は、消費者庁の特定商取引法ガイド(特定継続的役務提供)で確認できます。

クーリング・オフの通知の仕方、対象外になる契約、医療ローンの扱いは美容医療のクーリングオフと中途解約|対象の条件・解約料・医療ローンで詳しく整理しています。

よくある質問

Q
医療脱毛とエステ脱毛の違いは何ですか?
A
医療脱毛とエステ脱毛の違いは、毛乳頭や皮脂腺開口部などを破壊する脱毛を行えるかどうかです。この脱毛は医行為で、医師以外が業として行えば医師法違反になります。エステで行えるのは、医行為に当たらない範囲の一時的な除毛・減毛です。国内で承認された脱毛用レーザーの使用目的は「長期的な減毛」です。
Q
エステの光脱毛は違法ですか?
A
エステの光脱毛が違法かどうかは、毛乳頭や皮脂腺開口部などを破壊する行為に当たるかどうかで決まります。厚生労働省の通知は、機器が医療用かどうかを問わず、光線を毛根部分に照射してこれらを破壊する行為を医師以外が業として行うことを医師法違反としています。エステで行えるのは、医行為に当たらない範囲の一時的な除毛・減毛です。
Q
医療脱毛は永久脱毛ですか?
A
医療脱毛で使われる国内承認の脱毛用レーザーは、承認された使用目的が「永久脱毛」ではなく「長期的な減毛」です。添付文書は、効果が永久的とは限らないことや複数回の治療が必要なことを、治療前に説明して同意を得るよう求めています。
Q
医療脱毛で起こりうる副作用は何ですか?
A
医療脱毛で起こりうる副作用は、熱傷、水疱、紅斑、毛嚢炎、色素沈着、色素脱失、照射部位の周囲を含む多毛化・硬毛化などです。美容医療診療指針は、硬毛化は原因が明確でなく対処法も確立していないとしています。症状が出たときの診察・処置の流れと費用の扱いは、契約前に確かめておくことが大切です。
Q
光脱毛(IPL)とレーザー脱毛の違いは何ですか?
A
光脱毛(IPL)とレーザー脱毛の違いは、照射する光が単一の波長かどうかです。美容医療診療指針は、IPLは単一波長でないためメラニンへの選択性がレーザーより劣り、脱毛効率もやや劣る一方、照射面積が広く痛みは少ないとしています。医療機関で使うIPLには、承認器のほか未承認器も広く使われていると指針に記載があります。
Q
脱毛の契約はクーリングオフできますか?
A
脱毛の契約のクーリング・オフは、期間が1か月を超え金額が5万円を超えるコースであれば、エステでも医療機関でもできます。特定商取引法の特定継続的役務提供にあたり、法定書面を受け取った日から8日以内が期限です。8日を過ぎた後も中途解約ができ、解約料には法律で上限があります。

まとめ

医療脱毛とエステ脱毛の違いは、行える施術の範囲、使う機器と承認、副作用が出たときの対応、契約の解約料の上限の4点です。どちらを選ぶ場合も、施術の内容・リスク・契約の条件を、受ける前に確かめておくことが大切です。

脱毛を申し込む前のチェックリスト
  • 受ける施術が医療機関の脱毛か、エステの脱毛かを確かめた
  • 医療機関なら、機器の販売名と国内承認の有無、承認された使用目的を聞いた
  • 照射を担当する人と、施術前の医師の診察の有無を確かめた
  • 熱傷・毛嚢炎・硬毛化などの説明を受け、症状が出たときの連絡先と対応を確かめた
  • 料金表で部位・回数・追加照射・麻酔・剃毛・キャンセル料を確かめた
  • 「○回で完了」「痛みゼロ」などの言い方の根拠を確かめた
  • コースが1か月超・5万円超なら法定書面を受け取り、クーリング・オフの期限を控えた
  • 一括前払いの場合、前受金保全措置の有無と支払い方法を確かめた

判断がつかないときや契約のトラブルは消費者ホットライン188に、やけどや腫れなど体の症状は医療機関に相談してください。

本記事で言及している施術について(未承認医薬品等・適応外使用を含む)

本記事で触れている医療機関の光脱毛(IPL)には、国内で承認された機器と未承認の機器の両方が使われているため、医療広告ガイドラインに沿って一般的な情報を示します。

医療広告ガイドラインでは、承認されていない医薬品・医療機器だけでなく、承認された使用目的と異なる使い方(適応外使用)も「未承認医薬品等」として扱います。本記事は特定の機器や医療機関を紹介していないため、個別の機器については受診時に確認する項目として示します。

医療機関の光脱毛(IPL)

承認・認証の状況
美容医療診療指針は、脱毛に使うIPLについて「承認器もあるが、未承認器も広く使用されている」としています。個々の医療機関が使う機器の承認の有無は、本記事では調べていません。
(ⅰ)未承認医薬品等であることの明示
脱毛を使用目的として承認されていないIPLで脱毛を行う場合は、未承認医薬品等にあたります。機器ごとに異なるため、受診時に機器の販売名、国内承認の有無、承認された使用目的を確認してください。
(ⅱ)入手経路等
機器ごとに異なるため、受診時に確認してください。個人輸入される医薬品等の注意点は、厚生労働省の個人輸入において注意すべき医薬品等についてで公表されています。
(ⅲ)国内の承認医薬品等の有無
国内では、長期的な減毛を使用目的とするレーザー装置(アレキサンドライト・ダイオード・Nd:YAG)が承認されています。美容医療診療指針は、脱毛に使うIPLにも承認器があるとしています。
(ⅳ)諸外国における安全性等に係る情報
機器ごとに異なるため、受診時に確認してください。
(ⅴ)救済制度の対象外であること
未承認医薬品等や、承認された効能・効果、用法・用量等と異なる使い方で健康被害が生じた場合、医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度の救済の対象にはなりません。
主なリスク・副作用
熱傷、毛嚢炎、紅斑、色素沈着・色素脱失など。美容医療診療指針は、IPLは単一波長でないためメラニンへの選択性がレーザーより劣り、肌の色が濃いほど熱傷のリスクが高いとしています。
費用の目安
自由診療で、医療機関・部位・回数によって異なります。本記事は特定の医療機関の広告ではないため料金を載せていません。受診前に料金表で部位の範囲・回数・追加費用を確認してください。

本記事は公的資料をもとにした一般的な情報で、特定のクリニック・エステサロン・機器を推奨するものではなく、特定の医療機関の広告でもありません。施術の効果を保証するものではありません。施術を受けるかどうかは、医師の診察と説明を受けたうえで判断してください。

出典一覧

  • 厚生労働省 医政局医事課長通知「医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて」(医政医発第105号、平成13年11月8日。三重県が掲載した写し)
    PDF
  • 厚生労働省 医政局長通知「美容医療に関する取扱いについて」(医政発0815第21号、令和7年8月15日。北九州市が掲載した写し)
    PDF
  • 厚生労働省「その美容医療、ちょっと待って!」
    掲載ページ
  • 厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)」(令和8年3月30日最終改正)
    PDF
  • 厚生労働省「個人輸入において注意すべき医薬品等について」
    掲載ページ
  • 内閣府 消費者委員会「エステ・美容医療サービスに係る被害防止のための取組」(2011年)
    PDF
  • 国民生活センター「なくならない脱毛施術による危害」(2017年5月11日公表)
    掲載ページ/PDF
  • 国民生活センター「【若者向け注意喚起シリーズ<No.12>】男性も増加!脱毛エステのトラブル」(2022年7月21日公表)
    掲載ページ
  • PMDA 医療機器 添付文書等情報検索 GentleLase Pro(承認番号22800BZX00446000)
    添付文書/審査報告書
  • PMDA 医療機器 添付文書等情報検索 長期減毛・色素性疾患用レーザー装置 GentleMax Pro(承認番号23000BZX00128000)
    添付文書
  • PMDA 医療機器 添付文書等情報検索 長期減毛・皮膚疾患用レーザー装置 GentleMax Pro Plus(承認番号30200BZX00304000)
    添付文書
  • PMDA 医療機器 添付文書等情報検索 メディオスターネクストプロ(承認番号23000BZX00140000)
    添付文書
  • PMDA 医療機器 添付文書等情報検索 長期減毛用ダイオードレーザー メディオスターモノリス(承認番号30200BZX00404000)
    添付文書
  • PMDA 医療機器 添付文書等情報検索 LASERMACH レーザーマック(承認番号30800BZX00126000)
    添付文書
  • PMDA ソプラノチタニウム 審査概要
    PDF
  • 厚生労働科学研究費補助金 地域医療基盤開発推進研究事業 美容医療に関する調査研究班 美容医療診療指針作成分科会「美容医療診療指針(令和3年度改訂版)」第5章 脱毛治療。日本美容外科学会会報 Vol.44 特別号(日本皮膚科学会のホームページに掲載)
    PDF
  • e-Gov法令検索「特定商取引に関する法律施行令」(別表第四)
    掲載ページ
  • e-Gov法令検索「特定商取引に関する法律施行規則」(第91条)
    掲載ページ
  • 消費者庁「特定商取引法ガイド」特定継続的役務提供
    掲載ページ
  • 消費者庁「『前受金保全措置』の有無を確認するなど、高額料金の一括前払いを行う際は、契約内容や支払い方法等を十分にご検討ください!」
    掲載ページ

情報の取得日:

西村 麻衣 西村 麻衣
AUTHOR PROFILE
Nishimura Mai
美容医療ライター・元エステシャン

大手エステサロンで5年間勤務後、美容医療クリニックの受付・カウンセラーを3年経験。現在はフリーランスライターとして美容医療・スキンケア・アンチエイジング分野を専門に執筆。東京都内のクリニック取材実績多数。著書に、美容医療の入門書『仕事ができる男は、見た目に投資する』(Kindle版)があり、noteでも発信しています。

「東京都内のクリニック選びで失敗した経験から、読む人が後悔しない選択ができる記事を届けたいと思っています。」

専門領域
  • 美容クリニックの選び方・エリア別比較
  • アンチエイジング施術・脂肪溶解注射
  • スキンケア・化粧品成分
  • 東京都内クリニック事情(23区・多摩地域)
施術・技術解説
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