美容医療のクーリングオフは、契約期間が1か月を超え、契約金の総額が5万円を超え、脱毛、しみなどの除去、しわ・たるみの軽減など省令で定める施術を定められた方法で行う契約なら、申込書面か契約書面を受け取った日(早いほう)から数えて8日以内にできる制度です。2026年10月12日時点の特定商取引法と消費者庁の特定商取引法ガイドでは、8日を過ぎた後も将来に向かって中途解約でき、事業者が請求できる解約料には、施術の開始前は2万円、開始後は受けた施術の対価に「5万円か契約残額の20%の低いほう」を加えた額という上限があります。
「カウンセリングの日にコースを契約したけれど、家に帰ってから高すぎたと思って……。もうやめられないんでしょうか。」
契約した後で迷うのは、あなただけではありません。国民生活センターが公表している美容医療の相談事例にも、契約の後で解約したいという相談が挙がっています。
美容医療の契約には、条件を満たせばクーリングオフや中途解約ができる法律のルールがあります。その条件は、契約の期間・金額・施術の内容と方法で決まります。この記事では、自分の契約が対象かの確かめ方、8日以内の通知のしかた、中途解約したときの解約料の上限、医療ローンを組んだときの手順、対象外の契約で使える消費者契約法、相談先を順に整理しました。
本記事の対象:日本国内の医療機関と結んだ美容目的の自由診療の契約(施術コース・関連商品・医療ローン)です。施術の効果・安全性の評価や、個別の紛争の判断は扱いません。
契約する前にカウンセリングで確かめたいことは美容クリニックのカウンセリングで確認すべき5つのこと、料金表の読み方は美容クリニックの料金表、ここだけ見れば信頼度がわかるで扱っています。
本記事は特定のクリニックや施術を推奨するものではありません。
- 対象対象は、期間1か月超・総額5万円超で、脱毛、しみ・ほくろなどの除去や皮膚の活性化、しわ・たるみの軽減、脂肪の減少、歯の漂白を、省令が目的ごとに定める方法で行う契約です。手術という名前かどうかではなく、目的と方法の組み合わせで決まります。
- 期限クーリングオフの期限は、申込書面か契約書面を受け取った日(早いほう)から数えて8日で、書面か電子メールなどで通知を発した時点で効力が生じます。
- 返金クーリングオフでは、施術を受けた後でも施術の代金を払う必要はなく、支払った金銭は返還されます。関連商品のうち政令で定める消耗品を自分で使った分は除かれます。
- 解約料8日を過ぎた後の中途解約の解約料の上限は、開始前2万円、開始後は施術済み分の対価に「5万円か契約残額の20%の低いほう」を加えた額です。
- 相談相談先は、契約・解約のことは消費者ホットライン188、施術や医療機関の対応のことは医療安全支援センターです。
※ 特定商取引法・同施行令・同施行規則、割賦販売法、消費者契約法の条文と、消費者庁・国民生活センター・厚生労働省の資料をもとにまとめています。個別の契約が対象になるかは、契約書面の内容で変わります。
カウンセラー時代、カウンセリングの当日に契約を決める場面を見てきました。クーリングオフの8日は、申込書面か契約書面を受け取った日から数えます。やめるかどうか迷っているなら、まず手元の書面を出して、受け取った日と、赤枠で書かれたクーリングオフの欄を確かめてください。
自分の美容医療の契約はクーリングオフの対象?
美容医療の契約がクーリングオフや中途解約の対象になるのは、契約期間が1か月を超え、契約金の総額が5万円を超え、施術が特定商取引法施行規則の定める5つの目的と方法の組み合わせにあたる場合で、3つの条件をすべて満たす必要があります。
美容医療は、2017年12月1日に施行された改正で、エステティックなどと同じ特定商取引法の「特定継続的役務提供」に加わりました。そのため、2017年12月1日より前に結んだ契約は対象外です。
この制度が対象にしているのは、身体を美しくするなどの目的をうたって勧誘し、その目的が実現するかどうかが施術の性質上確実ではないサービスです。制度の全体は、消費者庁の特定商取引法ガイド「特定継続的役務提供」で説明されています。
期間と金額の条件
期間は1か月を「超える」こと、金額は5万円を「超える」ことが条件です。契約期間がちょうど1か月、総額がちょうど5万円の契約は当たりません。
金額は施術代だけで判断するのではなく、関連商品の代金なども含めた契約金の総額で判断します。クリニックの窓口で結んだ契約も対象です。
対象になる5つの施術と方法
対象になる施術は、目的(役務)と方法の組み合わせで決められています。左の目的にあたり、右の方法で行う施術が対象です。
| 施術の目的(役務) | 対象になる方法 |
|---|---|
| 脱毛 | 光の照射、針を通じて電気を流す方法 |
| にきび・しみ・そばかす・ほくろ・入れ墨など皮膚に付着しているものの除去、皮膚の活性化 | 光・音波の照射、薬剤の使用、機器を用いた刺激 |
| 皮膚のしわ・たるみの症状の軽減 | 薬剤の使用、糸の挿入 |
| 脂肪の減少 | 光・音波の照射、薬剤の使用、機器を用いた刺激 |
| 歯の漂白 | 漂白剤の塗布 |
※ 特定商取引法施行規則第91条をもとに、条文の表現を短くしたものです。左の目的と右の方法の両方にあたる施術が対象です。
手術の扱いは、名前だけでは決まりません。施行令の役務の定義には「手術」の語がありますが、方法の指定には切開などの方法は挙げられていません。対象になるかどうかは、表の目的と方法にあたるかで決まります。
自分の施術が当たるか迷うときは、契約書面にクーリングオフの記載があるかを確かめ、消費生活センターに相談してください。
対象にならない契約
次のような契約は、特定商取引法のクーリングオフと中途解約の対象になりません。
- 契約期間が1か月以内の契約(東京都消費生活総合センターの資料は、即日施術などで契約期間が1か月以内なら高額でも対象外と説明しています)
- 契約金の総額が5万円以下の契約
- 上の表の目的と方法にあたらない施術の契約
- 2017年12月1日より前に結んだ契約
- 営業のために結ぶ契約など、法律が適用を除外している契約
当日に施術を受けたかどうかでは決まりません。当日に1回目の施術を受けても、契約期間が1か月を超え、総額が5万円を超えるコースなら、期間と金額の条件は満たします。
対象外の契約でも、消費者契約法で解約料の条項や勧誘の問題を争える場合があります。具体的な内容は「対象外の契約や、勧誘に問題があったときは?」で整理しています。
美容医療のクーリングオフは何日以内?通知の方法
美容医療のクーリングオフは、申込書面か契約書面を受け取った日(早いほう)から数えて8日以内に、書面または電子メールなどの電磁的記録で通知すればよく、通知を発した時点で効力が生じ、事業者は解約料や違約金を請求できません。
8日の数え方と、書面に不備があるとき
8日は、申込書面か契約書面のうち、早く受け取ったほうの日を1日目として数えます。法律は書面を受け取った日から起算して8日と定めているので、どちらの書面も受け取っていなければ、8日は数え始めません。
書面の記載に不備がある場合について、千葉県は、契約書面を交付していない場合や、クーリングオフの説明など法定の記載事項に不備がある場合は起算日が始まらず、期間の制限なくクーリングオフできるという考え方を示しています。
事業者がうそを言ったり威圧したりしてクーリングオフを妨げた場合は、改めて「クーリングオフできる」と書かれた書面を受け取った日から8日以内であれば解除できます。
通知の方法と証拠の残し方
通知は、はがき・手紙などの書面か、電子メールや事業者の専用フォームなどの電磁的記録で行います。期限内に通知を「発信」すれば、届いたのが期限の後でも有効です。
- 書面は、特定記録郵便・簡易書留・内容証明郵便など、送った記録が残る方法で送る
- はがきで送るときは、両面をコピーして保管する
- 電子メールは送信済みのメールを保存し、専用フォームは送信画面のスクリーンショットを残す
医療ローン(個別クレジット)を組んでいる場合は、クリニックとクレジット会社の両方に同時に通知します。手順は「医療ローン(個別クレジット)を組んだときの手続き」にまとめました。通知の書き方の一般的な説明は、国民生活センターの「クーリング・オフ」のページにも掲載されています。
関連商品も一緒に解除できる
施術の契約をクーリングオフすると、あわせて購入した関連商品の契約も解除できます。美容医療の関連商品として政令が定めているのは、次の4つです。
| 関連商品の区分 | 内容 |
|---|---|
| 健康食品 | 人が摂取する動物・植物の加工品 |
| 化粧品 | 化粧品 |
| マウスピース・歯の漂白剤 | マウスピースは歯の漂白用のものに限る |
| 医薬品・医薬部外品 | 美容を目的とするもの |
※ 特定商取引法施行令の別表第五をもとに、条文の表現を短くしたものです。
関連商品のうち政令で定める消耗品を自分で使用・消費した分は、解除の対象から除かれます。事業者に使わされた場合は除かれません。
施術を受けた後でも代金は戻る
クーリングオフでは、すでに施術を受けていても、事業者は施術の対価やその他の金銭を請求できません。損害賠償や違約金も請求できず、受け取った金銭は速やかに返還しなければなりません。
支払った金銭は返還されます(政令で定める消耗品を自分で使った分を除く)。関連商品の返品にかかる費用も事業者の負担です。
これらのルールより消費者に不利な特約は無効です。「施術を受けたらクーリングオフできない」「返金は手数料を差し引く」といった説明を受けたときは、この点を判断の材料にしてください。
8日を過ぎた後の中途解約と解約料の上限
美容医療の中途解約は、クーリングオフの期間が過ぎた後でも理由を問わず将来に向かってできる手続きで、事業者が請求できる解約料には、施術の開始前は2万円、開始後は施術済み分の対価に「5万円か契約残額の20%の低いほう」を加えた額という上限があります。
開始前・開始後の上限額
契約書に解約料や違約金の定めがあっても、事業者が請求できる額は次の上限を超えられません。
| 解約の時期 | 事業者が請求できる上限 |
|---|---|
| 施術の開始前 | 2万円 |
| 施術の開始後 | 受けた施術の対価に相当する額 + 「5万円」と「契約残額の20%」のいずれか低い額 |
※ 上限には法定利率による遅延損害金が加わる場合があります。契約残額は、対価の総額から提供された施術の対価に相当する額を引いた額です。特定商取引法第49条第2項と同施行令別表第四をもとにしています。
上限を超えて受け取っている分は、事業者が返還しなければなりません。上限より消費者に不利な特約も無効です。
関連商品も、中途解約にあわせて解除できます。この場合に事業者が請求できる上限は、商品を返したときは通常の使用料に相当する額、返さないときは販売価格に相当する額、まだ受け取っていないときは契約の締結と履行に通常かかる費用の額です。
計算例
総額30万円・10回のコースを3回受けた後に解約する場合(1回3万円として計算)
施術済み分の対価:3万円×3回=9万円
契約残額:30万円-9万円=21万円。その20%は4.2万円で、5万円より低いので4.2万円
上限:9万円+4.2万円=13.2万円
30万円を支払い済みなら、返還される額は16.8万円以上になります(遅延損害金を除く)。
この例は条文から計算したもので、出典に載っている数字ではありません。
実際の契約では、施術済み分の対価をどう計算するか(1回あたりの単価の決め方)は契約によって異なります。解約の前に契約書の中途解約の計算方法を確かめ、疑問があれば消費生活センターに相談してください。
クリニック自身の分割払いのとき
クレジット会社を通さず、クリニック自身に分割で支払う契約(割賦販売)では、解約料の上限は特定商取引法ではなく割賦販売法の規定によります。どちらにあたるかは、契約書の支払方法の欄で確かめられます。
カウンセラー時代、コースの途中で通えなくなっても、やめると損だと思い込んで言い出せずにいる方を見てきました。法律には解約料の上限があります。まず契約書の中途解約の欄を確かめてみてください。
医療ローン(個別クレジット)を組んだときの手続き
クリニックで申し込み、クレジット会社が代金を立て替える形の医療ローンは割賦販売法の個別クレジットにあたり、対象の契約なら書面を受け取った日から8日以内にクレジット契約も書面でクーリングオフでき、クリニックとクレジット会社の両方に同時に通知するのが確実な方法です。
「医療ローン」は法令上の用語ではありません。クリニックを通じて申し込むクレジット契約は、割賦販売法の「個別信用購入あっせん」にあたり、国民生活センターの資料では「個別クレジット」と表記されています。
銀行などで自分で別に借りたローンは、仕組みが異なる場合があります。どちらにあたるか分からないときは、契約書類を手元に用意して消費者ホットライン188に相談してください。
個別クレジットのクーリングオフは、次の順で進めます。
- 契約書類で、クリニックとの契約とは別に、クレジット会社との契約があるかを確かめる
- クレジット契約の書面を受け取った日から8日以内に、クレジット会社あてに書面で通知する
- 同時に、クリニックにも通知する
- 通知の控えと発送の記録を保管する
クレジット契約をクーリングオフすると、施術の契約(関連商品の契約も)も解除されたものとみなされます。ただし、書面で反対の意思を示した場合は除きます。
このとき、クリニックは損害賠償や違約金を請求できません。クレジット会社は、すでにクリニックに立替払いをしていても、申込者に支払いを請求できません。受けた施術の対価を請求されることもありません。
8日を過ぎた後も、中途解約や取消しなど、クリニックとの間で生じている事情を理由に、クレジット会社からの支払請求を拒める場合があります(支払停止の抗弁。支払総額が4万円以上の契約が対象)。勧誘の際に事実と違う説明を受けたり、重要なことを故意に告げられなかったりして誤認したときは、クレジット契約も取り消せます。
クレジットカードの分割払いやリボ払いでも、一定の条件で支払停止の抗弁を主張できる場合があります。
国民生活センターは、分割払いを勧められ、収入や貯金額を偽って申告するよう案内されたという相談を紹介しています。クレジットの申込みでは、収入などを偽って申告しないでください。
対象外の契約や、勧誘に問題があったときは?
特定商取引法のクーリングオフや中途解約の対象外の美容医療の契約でも、消費者契約法により、平均的な損害を超える解約料の条項は超える部分が無効になり、事実と違う説明などで結んだ契約は取り消せる場合があります。
キャンセル料・解約料が高すぎるとき
消費者契約法では、解約に伴う損害賠償の予定や違約金のうち、同じ種類の契約の解約で事業者に生じる平均的な損害の額を超える部分は無効です。
事業者は、消費者から求められたら、算定根拠の概要を説明するよう努めることとされています。キャンセル料の額に納得できないときは、まず根拠を尋ねてみてください。
勧誘に問題があったとき
次のような勧誘で結んだ契約は、消費者契約法により取り消せる場合があります。
- 重要な事項について、事実と違うことを告げられた
- 利益になることを告げられ、不利益になる事実を故意または重大な過失で告げられなかった
- 帰りたいと伝えたのに帰らせてもらえなかった、または帰ってほしいと伝えたのに帰ってもらえなかった
- 社会生活上の経験が乏しく、容姿・体型などについて過大な不安を抱いていることを知りながら、その不安をあおって契約が必要だと告げられた
特定商取引法の対象の契約であれば、勧誘の際の事実と違う説明や、故意に事実を告げなかったことで誤認して結んだ契約は、同法でも取り消せます。
取消しには期間の制限があり、原則として、追認できる時から1年、契約から5年を過ぎると取り消せなくなります。個別の当てはめは判断が分かれるので、早めに消費生活センターに相談してください。
クーリングオフ・中途解約の通知書の書き方
美容医療のクーリングオフや中途解約の通知書は、契約日・契約者・事業者名・施術の内容・契約金額と、契約を解除する意思をはっきり書き、関連商品や医療ローンがあればそれも記載して、控えと発送の記録を残すのが基本です。
通知書には、次の事項を書きます。
- 契約年月日
- 事業者の名称と担当者名
- 契約者の氏名と住所
- 施術の内容(コース名・回数)
- 契約金額と支払い済みの額
- 契約を解除する意思
- 返金の請求と振込先(任意)
- 関連商品があれば、商品名と引取りの依頼
- 医療ローンがあれば、クレジット会社名・契約番号・販売店名
- 通知した日付
通知書
次の契約を解除します。
契約年月日:○年○月○日
契約金額:○円
施術の内容:○○(○回)
事業者名:○○
担当者:○○
支払った○円を返金し、受け取った商品を引き取ってください。
○年○月○日
住所・氏名
通知書
次のクレジット契約を解除します。
契約年月日:○年○月○日
販売店名:○○
商品・役務名:○○
契約番号:○○
○年○月○日
住所・氏名
中途解約のときは、「次の契約を解除します」を「次の契約を中途解約します」に置き換えます。返金については、解約料の計算の内訳を書面で示すよう求める一文を加えます。
書面は特定記録郵便・簡易書留・内容証明郵便など記録が残る方法で送り、電子メールで通知したときは送信済みのメールを保存します。クレジット会社への通知は書面で行います。
文例は一般的な記載事項の例で、個別の契約での書き方を保証するものではありません。文面や送り先に迷うときは、送る前に消費者ホットライン188で地域の消費生活センターに相談してください。
困ったときの相談先
美容医療の契約や解約で困ったときの相談先は、契約・解約料・医療ローンのことなら消費者ホットライン188、施術の内容や医療機関の対応のことなら都道府県などが設ける医療安全支援センターです。
| 相談したいこと | 相談先 | 補足 |
|---|---|---|
| 契約・解約・解約料・医療ローン | 消費者ホットライン188 | 地域の消費生活センターなどの窓口を案内する。相談は無料で、通話料はかかる |
| 施術の内容や医療機関の対応への苦情・不安 | 医療安全支援センター | 医療法に基づき、都道府県・保健所設置市・特別区が設ける |
| 医療広告の内容 | 医療機関を所管する自治体の窓口 | 厚生労働省の美容医療のページでの整理による |
※ 消費者庁・医療安全支援センター総合支援事業・厚生労働省の各ページの説明をもとにまとめています。
消費者ホットライン188は、消費者庁に直接つながる番号ではなく、身近な市区町村や都道府県の消費生活センターなどの窓口を案内する番号です。つながらないときは、国民生活センターの平日のバックアップ相談があります。
医療安全支援センターは、患者や家族からの医療に関する苦情・相談に対応し、助言する窓口です。
相談の前に、次のものを手元にそろえておくと話が早く進みます。
- 契約書面と概要書面
- 領収書
- クレジット契約の書類
- 説明を受けたときの資料
- メールやメッセージなど、やり取りの記録
契約書にサインする前に確かめること
美容医療の契約書にサインする前に確かめることは、契約書面にクーリングオフと中途解約の記載があるか、契約期間と関連商品を含めた総額、中途解約したときの計算方法、支払方法と割引の条件で、その日のうちに決めずに持ち帰って読むことが前提になります。
- その日のうちに契約や施術を決めず、書面を持ち帰って読む
- 契約書面のクーリングオフの記載が、赤枠の中に赤字で書かれているか
- 契約期間と、関連商品を含めた総額(期間1か月超・5万円超にあたるか)
- 中途解約したときの計算方法(施術済み分の単価)が書かれているか
- 支払方法:クレジットを組んでまで必要か。収入などを偽って申告しない
- 割引(モニター契約など)に付いている条件を読んだか
施術のリスクや副作用の説明は、医師から受けるようにします。カウンセリングでの確かめ方は東京で美容クリニックの選び方|失敗しないための5つのチェックポイントで整理しています。
厚生労働省は、消費者庁と連携して「美容医療の施術の前に確認するチェックリスト」(簡易版・詳細版)を美容医療の注意喚起のページで公表しています。
カウンセラーとして説明する側にいた私から見ても、契約の前に一度持ち帰って考える時間は大切です。書面を受け取ったか、中途解約の計算方法が書かれているかを、その場で確かめるだけでも、後から迷う場面は減らせると思います。
美容医療をめぐる国の対応
美容医療をめぐる国の対応は、厚生労働省の検討会の報告書、医政局長通知による運用の考え方、改正医療法による美容医療を行う医療機関の定期報告制度で、いずれもクーリングオフや中途解約の仕組みとは別の、医療の安全と相談体制についての対応です。
厚生労働省の「美容医療の適切な実施に関する検討会」は、2024年11月に報告書をまとめました。
厚生労働省はこの報告書を踏まえ、医政局長通知で、資格のないカウンセラーが診断や施術方針を決めることなどについての考え方を自治体に示しました。同じ通知では、契約のトラブルは消費生活センターにつなぐよう示しています。
2025年12月に公布された改正医療法では、美容医療を行う医療機関の管理者が都道府県知事などに報告し、知事などが必要な事項を公表する制度が設けられました。この規定の施行日は、政令で定めることとされています。
よくある質問
まとめ
美容医療の契約をやめたいときは、期間・金額・施術の目的と方法で対象かを確かめ、対象なら8日以内のクーリングオフ、過ぎていれば上限のある中途解約、対象外なら消費者契約法を検討し、迷ったら消費者ホットライン188に相談するのが基本の順番です。
- 申込書面・契約書面を手元に出し、受け取った日を確かめた
- 契約期間が1か月を超え、総額が5万円を超えるかを確かめた
- 施術が省令の5つの目的と方法にあたるかを確かめた
- 8日以内なら、書面か電子メールで通知し(医療ローンのクレジット会社へは書面で)、控えを残した
- 8日を過ぎていたら、中途解約の解約料が上限内かを確かめた
- 関連商品・医療ローンがあれば、それも通知の対象に入れた
- 迷ったら188に、施術の不安は医療安全支援センターに相談した
クーリングオフの対象になる施術には、脱毛も含まれます。脱毛のコース契約を考えている場合は、医療脱毛とエステ脱毛の違いもあわせて確かめておくと、契約の相手と内容を整理しやすくなります。
脱毛の契約を考えている方や、契約の前にクリニックでの話の聞き方を整理したい方は、次の記事で扱っています。
本記事は美容医療の契約に関する一般的な制度の説明で、個別の契約についての法的助言ではありません。対象になるか、いくら戻るかは契約の内容で変わるため、契約書面と消費生活センターで確かめてください。施術の効果・安全性は扱っていません。本記事は特定の施術・医療機関を推奨するものではありません。
出典一覧
- e-Gov法令検索「特定商取引に関する法律」(昭和51年法律第57号)第41条〜第50条
掲載ページ - e-Gov法令検索「特定商取引に関する法律施行令」(昭和51年政令第295号)第24条、別表第四・別表第五、附則(平成29年6月30日政令第174号)
掲載ページ - e-Gov法令検索「特定商取引に関する法律施行規則」(昭和51年通商産業省令第89号)第91条・第92条
掲載ページ - e-Gov法令検索「割賦販売法」(昭和36年法律第159号)第35条の3の11、第35条の3の15、第35条の3の19
掲載ページ - e-Gov法令検索「消費者契約法」(平成12年法律第61号)第4条・第7条・第9条
掲載ページ - e-Gov法令検索「医療法」(昭和23年法律第205号)第6条の13
掲載ページ - 消費者庁 特定商取引法ガイド「特定継続的役務提供」
掲載ページ - 消費者庁「消費者ホットライン」
掲載ページ - 国民生活センター「クーリング・オフ」
掲載ページ - 国民生活センター「各種相談の件数や傾向:美容医療」
掲載ページ - 国民生活センター「増加する美容医療サービスのトラブル-不安をあおられたり、割引のあるモニター契約を勧められても慎重に判断を!-」(2023年8月30日公表)
掲載ページ - 国民生活センター 見守り情報「さぽーとくん」第233号「男性の美容医療トラブルも増加!」(2026年7月16日発行)
PDF - 医療安全支援センター総合支援事業「医療安全支援センターとは」
掲載ページ - 厚生労働省「確認してください!美容医療の施術を受ける前にもう一度!」(美容医療の施術の前に確認するチェックリスト)
掲載ページ - 厚生労働省「美容医療に関する取扱いについて」(美容医療の適切な実施に関する検討会 報告書、令和6年11月22日とりまとめ)
掲載ページ - 厚生労働省 医政局長通知「美容医療に関する取扱いについて」(医政発0815第21号、令和7年8月15日)
PDF - 厚生労働省「医療法等の一部を改正する法律案の概要」(医療法等の一部を改正する法律 令和7年法律第87号、令和7年12月12日公布)
PDF - 千葉県「クーリング・オフ制度について」
掲載ページ - 東京都消費生活総合センター「美容医療契約、クーリング・オフが可能になる場合も?」
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